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源氏物語絵 扇面6場面(行幸巻・幻巻・夕霧巻・紅梅巻・竹河巻・末摘花巻 屏風絵・大和絵・拡大画像)
源氏物語絵銀地屏風からのまくりの状態である。保存状態は決して良好とは言えない。特に、絵画鑑賞で大きな比重を占める人物の顔の部分が、意図的に破損を被った様子が伺える。ほぼ同じ大きさで**×**センチ。
現状では円窓形扇面に刳りぬかれているが、もとは絵巻物仕立ての部分であろう。現存する源氏物語絵巻の絵では、国宝指定の徳川黎明会15場面、五島美術館4場面(十二世紀前半)があまりも有名である。それに後続する絵は、大和文化館及び徳川黎明会所蔵の浮舟帖5場面(白描・十三世紀後半)が知られているが、あとは桃山時代以降まで下る。これらの作品以外にも、鎌倉時代天福元(1233)年に絵巻が作成されたことを史料(明月記・古今著問集)から確認できるが、実物はまだ確認されていない。
本作品がどこまで遡るかは、大いに検討の余地はあるが、人物細描の特徴・蒔絵調度のデザイン・樹木の表現・衣装の図案と描画手法など、各方面の特徴を吟味すると、桃山以降の模写ではなく、鎌倉時代・室町時代に遡る作品と推定して妥当である。特に、人物描写の特徴は静嘉堂文庫・駒競行事絵巻(十三世紀後半)、同・住吉物語絵巻(十三世紀後半)に極めて近い。ただ、本作品に見る人物描写は、平安期源氏物語に見るような引目・鍵鼻の高貴性はなく、仏教絵解の絵巻物に見るような武士的・世俗的な筆使いである。出光美術館・伝土佐光吉筆源氏物語図屏風(桃山時代)の対応する巻数の場面と照合して、構図に差異はあるものの同一場面を描画していることは、彼屏風(あるいはその手本)とも何らかの繋がりがあることも事実である。いずれにせよ、日本美術史を考えるうえで、度外視できない作品である。