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絹本萩鹿図。本紙:絹本。38×84センチ。表装:軸先欠。48×167センチ。
画の中央、横方向に大きな折れが走り、保存は良いとは言えない。それを補って余りあるのは、周囲に気配り立つ牡鹿にそっと寄り添う雌鹿のつがいの描写である。黒褐色に塗った地に、細かな毛並まで丁寧に書き込み、白を効かした様は、もの静かさのうちに凄みさえ感じる。
本図には、「遮莫月船彩色萩鹿図(汲水)」「絹地竪物乙未春(好斎)」との江戸後期の古筆家・大倉好斎の極が付属する。遮莫月船は室町時代の画僧(相国寺派)・小栗宗継と同一人物と言われ、水墨山水の遺品がある。本図は、その筆法とはおそよかけ離れたもので、彼の作品というよりは、所蔵品と見たほうが理解しやすい。